年金制度

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健康保険と厚生年金保険はセットで入らなくても良いって本当?

厚生年金保険には加入せず、健康保険のみ加入は可能か?

 

健康保険だけ適用を受け、厚生年金保険に入らないことができますか。

 

こんな質問があったらどう回答しますか?

 

事業所の強制適用事業所については、健保法第3条第3項に、厚年法には第6条第1項に、また任意適用事業所については健保法第31条、厚年法第6条第3項に表現の仕方に違いはありますがそれぞれ同じ内容の規定があり、その事業所に適用されるものを被保険者とする旨定めています。

 

(健康保険法第3条第3項)
3  この法律において「適用事業所」とは、次の各号のいずれかに該当する事業所をいう。
一  次に掲げる事業の事業所であって、常時五人以上の従業員を使用するもの
イ 物の製造、加工、選別、包装、修理又は解体の事業
ロ 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
ハ 鉱物の採掘又は採取の事業
ニ 電気又は動力の発生、伝導又は供給の事業
ホ 貨物又は旅客の運送の事業
ヘ 貨物積卸しの事業
ト 焼却、清掃又はとさつの事業
チ 物の販売又は配給の事業
リ 金融又は保険の事業
ヌ 物の保管又は賃貸の事業
ル 媒介周旋の事業
ヲ 集金、案内又は広告の事業
ワ 教育、研究又は調査の事業
カ 疾病の治療、助産その他医療の事業
ヨ 通信又は報道の事業
タ 社会福祉法 (昭和二十六年法律第四十五号)に定める社会福祉事業及び更生保護事業法 (平成七年法律第八十六号)に定める更生保護事業
二  前号に掲げるもののほか、国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの

 

(健康保険法第31条)
(適用事業所)
第三十一条  適用事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができる。
2  前項の認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される者(被保険者となるべき者に限る。)の二分の一以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。

 

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理論的には可能だが、実務的に無理?

 

しかしながら、任意適用事業所は従業員の2分の1以上の同意と厚生労働大臣の許可(日本年金機構に委任)により適用されるものでありますから、健康保険の適用事業所となることを希望するが厚生年金保険の適用を希望しないことも、またはその逆についても選択ができます。

 

したがって、理論的には健康保険の被保険者であるが厚生年金保険の被保険者でないということもあり得ます。

 

ところで、国民は何らかの公的医療保険制度と公的年金制度に加入しなければならないことになっていますので、原則として健康保険と厚生年金保険には一緒に加入することとされます。

 

ただ当該事業所が国民健康保険組合に加入しているときは健保法の適用除外となりますので、特例的に厚生年金保険のみ適用する場合があります。

 

実務的に、医療が協会けんぽ・年金が厚生年金保険となっているセットの例外を上げてみますと

 

医療は国民健康保険組合、年金は厚生年金保険(医師国保、税理士国保など)

 

医療は健康保険組合、年金は厚生年金保険(大企業)

 

医療は協会けんぽ、年金は共済組合の厚生年金保険(公務員の外郭団体への在籍出向)

 

といったところでしょうか。

 

また、健保法第3条第3項の適用事業所については、原則として片方のみの適用はあり得ないことであり、健康保険の適用を受ける被保険者は厚生年金保険の適用を受ける被保険者でもあるわけです(例外として厚生年金保険では、適用事業所以外の事業所に使用される者が事業主の同意を得て被保険者になれる道が開かれております。これを任意単独被保険者といいます)。

 

なお、2分の1以上の従業員が健康保険の任意適用を希望していても、事業主が任意適用について申請しない限り(労災保険の場合は過半数、雇用保険では2分の1以上の従業員の希望があると事業主に申請義務があります)、適用を受けられないので、このような事情にあっては、事業主の理解と協力が必要でしょう。

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